腎臓の働きと透析療法

            
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 さて、透析を受けている皆様は、腎臓の働きが悪くなったため透析治療を受けている訳ですが、そもそも人間の腎臓とはどんな働きをしているかご存知でしょうか。

腎臓の働き
 腎臓には大きく分けて4つの働きがあります。それは、尿を作る・血圧を調節する・血液を造るのを助ける・ビタミンDを活性化する、という働きです。

Ⅰ.尿を作る
腎臓が「尿を作る」ということは、次のような仕事をしています。

①体の中の老廃物(毒素)を排泄する。
エネルギー源となる物質が体内で利用された結果できた老廃物を尿として排泄します。

② 水分量を調節する。
尿を多くしたり少なくして調節することで、体内の水分量を一定に保ちます。


③電解質を整える。(体液バランスの調節)
電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン等)の濃度や量を一定に保ちます。また、重炭酸の濃度を調節し、血液が常に弱アルカリ性になるようにしています。


Ⅱ.血圧を調節する
血圧を調整するホルモン(レニン)を出しています。


Ⅲ.血液を造るのを助ける
赤血球を作るのを助けるホルモン(エリスロポエチン)を出しています。


Ⅳ.ビタミンDを活性化する
腎臓で活性化されたビタミンDによって、腸からのカルシウム吸収が促進されます。


血液透析の働き
 十分な働きができなくなった腎臓に代わって、腎臓の機能の一部を代行しているのが血液透析です。
血液透析で代行できることは、

・老廃物(尿毒素)を排泄する
・余分な水分を取り除く
・電解質を調節する
・血液中にアルカリ成分(重炭酸)を補充する、などです。

 ただし、人間の腎臓が1日24時間、毎日休みなく血液をきれいにするために働いているのに比べて、血液透析は1週間に3日、それもほとんどの方が1回4時間程度です。そのため、血液透析は尿毒素の除去という点では人間の腎臓には及びません。
 しかしながら、同じ週3回透析でも1回4時間透析をしている人に比べて、5時間透析をしている人は、合併症が出にくく、長生きするということが世界的な調査で分かっています。
 わずか1回1時間の違いですが、5時間透析をすることで体の隅々までの毒素を十分抜くことができ、それによって非常につらい透析の合併症を防ぐ効果が何倍にも増し、またそれが長生きにも結びつくという大きな差になって将来表れてきます。
 短期的にみても透析時間を長くすることで、透析中の血圧がより安定し、透析が楽になります。
 このようなことから、皆様もいろいろとお忙しいでしょうが、透析日は他の何より血液透析を優先して、しっかりと5時間透析をしていただきたいと考えております。
 血液透析で代行できないことに関しては、食事療法や薬物療法(エリスロポエチンの注射や活性型ビタミンDなどの服用)などによって、腎臓の機能を代行しています。

良い体調で長生きするために、高性能の透析器(ダイアライザー)を使用して、5時間透析を行うことをお勧めします。



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転倒と歩行について
(そのⅡ)

管理栄養士
介護予防運動指導員(栄養室)
高石 美由紀
介護予防運動指導員(物療室) 外山 早苗

自分でわかる筋力低下のサインとして以下の3つがあります。
①以前より歩く速度が遅くなった
②片足開眼立ち20秒未満
 (てすりの横などで行い、片足立ち中に転ばないようお気をつけ下さい。)
③以前よりつまずき易い。


バックアブドミナル ニーエクステンション

運動不足、加齢に伴う筋力低下予防のため、例えばエレベーターを使わずに階段で昇降する、椅子の背もたれに頼らずに座るなど日常動作にちょっとした工夫をして普段から鍛えることが大切です。(高齢者や痛みのある人は無理をしないようにして下さい。)

 当院の物療室にも前回までにご紹介したマシンの他に、バックアブドミナル(腰痛の予防、改善になり姿勢もよくなります)、ニーエクステンション(立ち上がりがスムーズになり歩行が安定します)などがあります。スタッフにお申し出てぜひご利用ください。


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あなたの足は健康ですか?


                 看護師 吉川 基樹


 透析患者様の高齢化や糖尿病を合併した透析患者様が増加し、それに伴う動脈硬化が原因で起こる血流障害、閉塞性動脈硬化症(ASO)の患者様が増加しています。つまり足への血液の流れが悪くなることによりさまざまな足病変が発症する可能性があるのです。

ひとえに足病変といってもさまざまな症状があります。足の指先が青紫に変色したり、足の冷えやしびれ、巻き爪、深爪による感染、水虫、足の皮膚の乾燥、爪が厚くなったりなど、皆様も覚えがある症状はございませんか?

 血液の流れが悪いと、そういった小さな傷が原因で足を切断するような大きな障害へ発展する可能性もあるのです。当院では1ヶ月に1回患者様の足を観察して病状の早期発見に取り組んでおりますので、その際は御協力のほどお願い致します。

 毎日の生活の中で以下のことを守っていただきたいと思います。
①足は体の中でも汚れた所です。水虫にならないように指の間までしっかり洗い、よく水分をふき取りましょう(水虫のカビは湿ったところを好みます)。

②爪は深く切りすぎていませんか?あまり深く切ると、出血して 化膿する恐れがあります。無理をせず、スタッフに爪切りを相談して下さい。(1ヶ月に1回のチェック時にスタッフが爪切りを行います)

③足をどこかにぶつけた・爪を切って出血した・足が乾燥する・足が冷える・足が痛いなど足に何か変わったことがあれば、どんなささいなことでもスタッフに相談して下さい。


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患者様からの投稿


「最後のシャント」

            
 大西 弘 (透析歴14年2ヶ月)

 
 私は62歳の時透析を始めました。今76歳です。透析を始めた時は、もう死んでしまうのかと思いましたが、今まだなんとか元気に生きております。

 この14年間の透析生活の中で、一番苦労したことはシャントです。5回も作りなおしました。今のシャントは、これが最後のシャントになるかもしれないという思いで作りました。次は人工血管にするしかないと言われています。
 以前、穿刺後の血管痛がひどいので、院長先生の紹介で済生会今治病院へも行きましたが、「どこにも作り変えるところがないから、もう少し痛いのを我慢した方がいい」と言われた時は涙が出ました。約半年間くらい血管痛に悩みましたが、穿刺場所をいろいろ変えてもらったり、院長先生始めスタッフの方々の元気付けや励ましに支えられて、やっとこの頃、血管痛もなくなってきました。血管痛がなくなると透析がずいぶん楽になり、また頑張ろうという気持ちもでてきました。これからもよろしくお願いいたします。


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栄 養 室 よ り

                             管理栄養士 高石 美由紀


めん類の上手なとり方(透析食)

 めん類は、水分・塩分のとりすぎやカロリー不足になりやすいので、次のことに気をつけて上手に利用してください。
 透析が2日空くときには控える
 1日空きの時でも連続しないように心がける
ミニおにぎり
そうめん
(鶏肉、卵、きゅうり、トマト)
なすとししとうの揚げ煮 
ほうれん草のお浸し
揚げせんべい

御飯
煮魚 根野菜添え
ハンバーグ マッシュポテト
ほうれん草のお浸し
青菜の煮浸し


食べ方のひと工夫
茹であがっためんは、時間とともに表面の水分を含むので、汁を飲まないようにしても水分が多くなってしまいます。作ってから長い時間おかないようにしましょう。

めんだけ食べると、カロリー不足になったり、たんぱく質などの栄養素が不足し貧血になりやすくなります。おかず(具や副菜など)を忘れないようにしましょう。

カロリーを上げるために上手に油を使いましょう。(具や副菜やタレなど)焼うどんや焼そばにすると、汁気も少なくなり、また油を使うためカロリーを上げることができます。

だしをきかせて食塩を少なくした汁にしたり、汁は食べる時さっとつけるだけにし汁を残すように心がけましょう。外食で食べるうどんやそばの汁には、少なくとも3g多ければ5g以上の食塩が含まれるので要注意です。

そうめんなどの上にのせる野菜は、できるだけ細かく切って流水またはたっぷりの水に浸し、その水をたびたびかえることでかなりカリウム量を減らすことができます。
具に季節の野菜を上手に利用しましょう。食事のバランスが良くなります。


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