透析器(ダイアライザー)について

            
34号メインページに戻る

 腎臓の代行をする血液透析で一番重要なのは透析器です。透析器のことをダイアライザーといいます。現在使われているダイアライザーの型には、中空糸型(ホローファイバー型)と積層型があります。

 中空糸型ダイアライザーは髪の毛ほどの細いストロー状の糸(中空糸)を数千~1万数千本ほど束ね、円筒形のプラスチック容器に充填したものです。その中空糸の中を血液が通り、外側を透析液が反対向きに流れる構造になっています。中空糸の側面には目に見えない小さな穴が開いており、その穴を通じて血液中の老廃物が透析液側に抜けていきます。また、その穴を通じて、重炭酸などの不足しているものが透析液から血液に補給されます。

 積層型ダイアライザーは、ストロー状ではなく、平たくてごく薄い、例えて言えばセロハン紙のようなものを数十層に重ねたものです。その薄い膜(透析膜)の間を交互に血液と透析液がそれぞれ反対方向に流れる構造になっています。その透析膜にも同じく小さな穴が開いており、その穴を通じて老廃物が抜けたり、重炭酸が補給されるということは中空糸型と同じです。
 ダイアライザーは、いろいろ種類があり、それぞれ材質・大きさ・尿毒素の抜け具合が違います。当院でも現在15種類程度のダイアライザーを採用しています。その中で、各々の患者様に一番適していると考えられるダイアライザーを選択して使用しています。

1

当院の透析液清浄化対策


 
最近のダイアライザーは大きな毒素を除去する目的で、側面にあいている毒素が抜ける穴(ポアといいます)を大きくしているため、透析液の清浄化がより重要になっています。といいますのは、大きな穴から血液中の大きな毒素が抜ける代わりに、透析液中にあるエンドトキシン(細菌が出した毒素)やその他の不純物が血液中に入ってくる危険性が高まるからです。

 このようなことから当院では透析液の清浄化対策を他施設に先駆けてずっと以前より取り組んできましたが、更なる清浄化対策ということで6月末にさまざまな改修を行いました。同時に地震対策も行っておりますのでその内容をご紹介したいと思います。

① 透析液供給装置、水処理装置(RO装置)などの下部アジャスターに固定金具を取り付け、地震時の装置の移動・転倒を防止しました。




原水ラインフレキシブルホース
RO水排水フレキシブルホース

② 機械室内の各装置への給水・排水等をフレキシブルホース(弾力性があり折れないホース)に接続しました。これによって、地震の時によくある配管破損による水・透析液漏れを防止できます。










③ 機械室の配管はPVDF(ポリフッ化ビニリデン)配管に変更しました。
 PVDF配管は微生物の付着及び増殖の可能性が非常に少なく、腐食せず抜群の耐薬性を持ち溶出物もないことから超純水ラインに使用されるもので、透析液の清浄化対策のためには最も優れた配管だと言われているものです。

④ 透析室内の透析液配管はKCチューブに交換しました。
KCチューブは、内面がフッ素樹脂で、高度な内面平滑性があるため微生物が付着して増殖することが少なく、また弾力性があり強度もあるため地震時に破損しにくいチューブです。


⑤ 全ての透析装置に最高に清浄化された透析液を供給するため、透析液清浄化フィルター(ダイセン社製)を設置しました。

 





 以上のように現時点で考えられる全ての方法を取り入れ究極の透析液清浄化システムを構築しています。

 透析療法では、4時間透析で120L、5時間透析で150Lもの透析液が必要です。これだけ大量の透析液が透析膜を介して血液と接するわけですから、ごくわずかの透析液の汚染であっても、長期にわたってそれが繰り返されれば体に慢性的な炎症が起こり、さまざまな透析合併症を引き起こします。
 透析の質の良し悪しは短期間では分かりにくいものですが、長期間になるとその差は歴然としたものになります。

 新しい透析装置と透析システムの導入は目立ちますので皆様もすごく変わったという印象を持たれたことと思いますが、実は目に見えないところでも重要な改修を行っていたということをお分かりいただければ幸いです。


34号メインページに戻る

34号メニューに戻る